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ベネズエラ制憲議会の意義についてのインタビュー

ベネズエラの社会学者への憲法制定国民議会の意義についてのインタビューです。「これまでの歴史的な議会との、一つの大きな違いがある。議員たちは、政党やエリートの代表ではなく、市民である。」
合衆国と同盟国は、ベネズエラの参加型民主主義を恐れている

年8月16日 teleSUR (Edu Montesanti)発

ベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領を支持するチャベス主義者の行進。|写真:AVN

テレスールが、ベネズエラ人の社会学者マリア・パエスと共に、社会主義者が率いる政府に対する地域的な攻撃について語る。

ベネズエラが、合衆国とその地域同盟国からの圧力に直面している時に、テレスールが、ベネズエラ人の社会学者で憲法制定国民議会ANCと合衆国に対して抵抗する重要性を説明しているマリア・パエスと語りあった。

【7月30日のベネズエラのANC選挙についてどのように考えていますか?】

 それは、ベネズエラ人民の輝かしい勝利だった。彼らは嘘に直面しても平静で、暴力に対しても決意と勇気を示した。彼らは、本当の政治的成熟を示したし、彼らの投票が、この国での平和への本当の道であることを理解していた。

 自分達の空想と願望的思考の中にいる反対派は、僅か200万人のチャベス主義者だけだった、とか、失敗に失敗を重ねたものだった、とか、もし、議会を作れば国中に混乱が起きるとか言い続けた。そのどれもが本当でなかったことは、事実で示された。

 沢山の人が投票に参加し、880万の投票(42%)が、チャベス主義が健在であることを示した。もし、反対派が脅しを掛け、投票を妨害しなかったとしても、どのくらいの人が投票したかは推測することしかできません。

 ただ投票所へ行くだけのために、バリケードや銃を避ける人民の勇敢な瞬間が、その日には沢山あった。例えば、タチラ州のある町全体が、銃撃を避け、静かに町を脱出し、二つの川を渡って、投票権を行使したことは、有名になった。

合衆国は、合衆国の意向に沿わない政府を排除するために、ラテン・アメリカで歴史的に実行して来た、単によく知られた不安定化計画を実行しているだけだ。言い換えれば、合衆国の利益に従わない国に対して行って来たことだ。

 これらのベネズエラ市民の場合、彼らは合衆国に資産を持っていないので、この制裁は全く役に立たない。だけども、彼らが旅行すれば、個人的に影響を受けるかもしれない。

 個人的にはイライラはあるが、ベネズエラ政府と人民すべてに影響はない。これらの制裁は、合衆国のガキ大将的な権力と脅迫の陳列であるが、効果的ではない。

しかし、より大きな問題は、合衆国とその同盟国が、実際に参加型民主主義、特に選出されたANCの確立を恐れていることである。

 いろいろな右翼政府と帝国主義政府は、ベネズエラのANCは違法だと悲鳴に近い叫び声をあげた。それは、違法ではない。1999年の憲法を読めば、大統領がそのような議会を要請できることは、誤解の余地のない明白な事である。

 彼らが、人民の自由な決定という普遍的な原則に違反しているように、このような違法であるという抗議は、完全に国際法に違反していることに注意すべきである。国々が、主権の表明として、自分自身の法律を作成することは自由である。特に、選出された議会を通じてであれば、まったく自由である。

これらの超大国は、ラテン・アメリカの右翼の国々がそうであるように、政治的、経済的エリートによって支配されている。彼らは、もし、コロンビア、ペルー、メキシコ、ブラジル、チリ、スペインや合衆国でさえも、それらの国の人民が、ベネズエラで起きていること、すなわち、自分自身の憲法を制定する能力を持つことを要求した場合、どうなるのか心配しながら見ている。

例えば、メキシコ政府は、その国のかつての宝石、石油会社ペメックスを民営化するために、ペンによって憲法を改訂した。これについては、一人のメキシコ市民も発言権が無かった。

 最近の4か月で、ベネズエラが、経済戦争、西部国境で民兵組織の攻撃、幾つかの都市の裕福な地域で反対派のテロリズムに直面している時、ニコラス・マドゥーロ大統領は、市民の権利の保障を中断する国家非常事態宣言という独裁主義的な手法を取らなかった。それは、40年間支配した民主行動党とコペイ党の手法である。ある時、彼らは、保障を中断して2年間支配した。

 偉大な洞察力と民主主義と社会主義の原則への忠誠を持って、憲法347条、348条、349条の条文によってマドゥーロに与えられた権限を行使しながら、マドゥーロは、ANC,人民の意志という最大の権力を招集した。これは、1789年のフランス議会、1787年の合衆国の憲法制定議会と1917年のロシア議会の歩みに続くものである。

 だけども、1999年のベネズエラ議会のような、これらの以前の歴史的な議会すべてとは、一つの大きな違いがある。議員たちは、政党やエリートの代表ではないことである。ベネズエラのANCの議員は、市民であり、厳選されたエリートや政党によって選ばれた個人ではない。

それは最悪だ。

 ベネズエラとなると、バランスの取れた報道というジャーナリストの原則は、まったく消え失せてしまった。考慮に入れる唯一の見解は、反対派の意見である。

 何という反対なのだろう!人種差別者、階級差別主義者と反民主主義者。公然と路上テロを爆発させる反対派。チャベス主義者に違いないと褐色の肌故に青年に火を点けたことを公然と認める反対派。同じ理由でリンチを繰り返す反対派。

 反対派の街頭抗議行動は、国際メディアによって十分に報道されたが、彼らは、「学生」や「自由の戦士」として描かれた。

 355の自治体に中で、暴力的な暴動があったのは、裕福な地区の僅か8地区だったことを理解しようとしたメディアは、一つもなかった。むしろ、国際メディアは、その重要性を誇大に膨らませることに全力を挙げていた。

 今日まで、ANCが合意したことを、一つ一つ説明する。

 1, その立法機関は、国民経済カウンシルと会合を行う。それは、経済の15の戦略的部門を持っており、経済の石油輸出依存から脱出して、多様化された経済的生産モデを強化する政治的方策を討議している。

私は、ANCにとって最も難しい課題は、経済の任務であると考えている。すなわち、多様化された石油経済脱却後の経済のために、妨害から経済を保護し、基盤を設定することである。

 このために、議員たちは、最も有能な経済専門家たちと会合している。それは簡単ではないし、多分、これらの事を立法化することは実現可能ではないだろう。経済は、高騰するインフレによって膝を折られて、非常に難しい難題となっている。

 もう一つの大きな問題は、経済的権力がいまだに裕福なエリートの手にあるということである。この経済的不平等に取り組まなければならない。

 それでも、それは、歴史上初めての事ではないし、第2次大戦後のヨーロッパを考えてみれば、ある政府がこの問題に直面するのは、初めてではない。彼らは解決策を見つけたのであり、私は、ベネズエラもそうすることを期待している。彼らは確実にそうしようとしている。

 それでも、ベネズエラに関して驚かされることは、そのような経済的問題の8分の1であっても、合衆国とカナダ、あるいはヨーロッパの政府は倒れてしまうだろう。このような経済状況にも拘わらず、ベネズエラの人民がしっかりと政府を支持したことである。これは、本当に注目に値することである。

 2. 議員たちはまた、火曜日、2回目の会議で、国家の諸権力と共存する布告を承認し、現在野党に牛耳られている国民議会を取り換えることはしないと繰り返した。

 それは、そのようなことを決定するANCの特権である。実際、今、実権を握っているのはANCである。国民議会は、その頑固さと最高裁の命令に忠実でない反民主主義的なスタンスのために、自分自身を不必要な物、法秩序からはみ出た物にした。

この時点でのベネズエラの本当の敵は、国民議会でもその他の国家権力でもない。それは、合衆国であり、巨大な石油資本であり、ベネズエラの莫大な石油と天然資源を欲しがっているその他の政府と企業の同盟である。

3. ベネズエラに対して合衆国政府が押し付けた一方的な措置を拒否すること。そして、外国の脅威に対するマドゥーロの支持を反映させたことである。

 ベネズエラに対するトランプの理不尽な軍事的な脅迫は、彼が恥ずべき、無知な男であること、彼が支持している反対派が全く評価に値しないことを再び世界に示した。ラテン・アメリカの右翼の彼のお友達の政府、メキシコ、コロンビア、ペルー、チリ、ブラジル、アルゼンチンでさえ、ベネズエラに対する合衆国のいかなる軍事的な介入に同意しないという声明を出すという素早い反応を示した。

 そんな訳で、合衆国が考え付くような好ましくない人物リストの中で、誰であれ、その中の一人が次になり得る。彼らはまた、ベネズエラの国土への合衆国の軍事侵略が地域的な対立を爆発させ、その結果、彼らが管理したいと思っている市場を危険に晒すことになる、と分かっている。

 また、ANCを選ぶベネズエラの権利が、ALBA(米州ボリバル同盟)、カリブ諸国と非同盟諸国によって支持されていることを指摘しておくことは重要だ。支持をしている国は、世界の3分の2の国々となっている

4. カラボボ州にあるフォート・パラマカイに対する日曜日に実行されたテロリスト攻撃の後、ベネズエラ人民を防衛しているボリバル国家警部軍への支持である。

 フォート・パラマカイへの攻撃は、軍事的な蜂起ではなかった。それは、二人の元軍人に率いられた市民の成りすまし兵の小さなグループによって実行された。元軍人は、法律によって指名手配中の人物だった。それは、明らかなテロ攻撃だった。

しかし、まったく間抜けな話だ。一握りの男たちが、完全武装した兵士の砦を攻撃するのか?すぐに制圧された。それは、彼ら自身、成功するとは全く思っていなかったという結末であり、それはまた、国際メディア向けの「ショー」であり、そうでないにもかかわらず、ベネズエラが大混沌になっていると描こうとしたものである。

 ベネズエラの反対派は、ボリバリアンのイデオロギーに基礎をおく、ベネズエラの市民と軍の結合が強いということを認識できていないか、あるいは受け入れがたいのである。ベネズエラ人は、シモン・ボリバル解放軍の本当の後継者であって、悪意のある合衆国の学校で訓練されたアメリカ諸国の軍隊のような、その人民自身を抑圧する軍隊ではないのである。

 この軍事的変革は、元ウーゴ・チャベス大統領の確かな遺産であった。軍隊もまた、人民である。ベネズエラ軍は、どの近隣諸国に対しても、戦争を仕掛けたり、侵略するためにその国土を離れたことは一度もない。19世紀に、コロンビア、ボリビア、エクアドルとペルーをスペイン帝国から解放する時に、一度だけ国土を離れただけである。

【これらの点それぞれをどのように見ていますか?そして、近い将来をどのように予想していますか?】

 今度は、ベネズエラの人民の本当の代表であるANCの545名の議員の出番である。憲法を制定し、テロリスト、経済を混乱に陥れている者、この国をドルの札束で売ろうとしている者への抜け道を閉じて、本当に平和と正義をリードする法の支配を確立することが彼らの仕事である。

 これは疑いもないことだが、ベネズエラのANCは、すぐに法律を変えるだけではなく、ベネズエラの国境をはるかに超えて、反響をもつ革命的文化と政治的変革を遂行しつつある。

彼らは、権力の新しい種類、人民の意志と主権を行使する人民のための新しい方法を定めようとしており、コミューナル国家へと先導し、植民地化の弁証を一掃し、新しいコミューン哲学、政治機関の本物の役者としての労働者階級の確かなポジションを約束する政治的創造性の新しい高揚を解放しようとしているのである。

 今、ベネズエラの運命は、その人民の手の中にある。そうすべきである。

 世界の他の地域でも、世界平和の脅威とはならない、戦争を宣言し、他国を侵略せず、最新鋭の兵器を持たずに、ただ単に国内の経済問題に取り組み、自身の人民に食事、衣類、住宅を供給するだけの民主主義的な政府に味方する選択があるのである。

 それとも、人民の利益の前に自分たちの狭い政治的利益を常に置き、食料や医薬品を隠すことに躊躇することなく、公然と自分自身の国に融資しないように銀行に求め、合衆国やヨーロッパに干渉をお願いして、人民が与えたわけではなく、黒い肌の人々をリンチし、ただ彼ら自身の利益のために、ひどい人種差別と憎悪を展開する権力を与えてほしいという連中に味方するのか。

 フィデルの言葉を言い換えれば、歴史は、彼らを無罪とすることはない。

 マリア・パエス・ビクトールは、カナダのロー・コミッションの研究者。

 エデュー・モンテサンテは、独立系にアナリスト、研究者で、『テュルース・アウト』、『プラウダ』、『グローバル・リサーチ』、ブラジルの雑誌『カルロス・アミーゴ』と世界中の沢山の雑誌に投稿しているジャーナリスト。

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